発達障害の定義
チック

チックは発達障害でなくとも子供に見られる神経性習癖である。定義としては、特定の筋肉群に起こる不随意的かつ急速的な反復運動で、よく見られるものは瞬き、頭を振る、足踏みなどである。咳、奇声、しゃっくりなどの呼吸器系のものもある。器質的なものと、心因性のものがあり、心因性である場合、多くは、ストレスを適切に発散できない、注意をひきたいなどの潜在的な自己主張であることが多く、成長につれ、消失していくことも多い。爪噛み、抜毛なども同様である。ただし、適切な対処がとられないと、大人になってもこの癖が残ることがある。特に、周囲の大人が子供の行動に目くじらを立て、指摘、叱責したりすると、意識が集中し、反復が酷くなる傾向にある。

症状が多岐にわたる場合は、多発性チックと呼ばれる。治療には、行動療法などの各種心理的手法や、鍼灸、漢方が用いられる。発達障害として認められるのは幼児期、児童期早期のもののみである。

このチックを特徴とするのがトゥレット症候群である。発見者のフランス人の姓が由来のこの症候群は、男性に多く、幼児期から、青年期にかけて表出し、まれに生涯にわたって続くことがある。もっとも印象的なのは、汚言症で、本人の意識のコントロールの外で突発的に、「馬鹿」などの罵声、卑猥な言葉、衛生的に不快な言葉などが連続して出てくるものである。

以前は、トゥレット症候群の診断の大きな基準となっていたが、必ず現れるものではないので、現在は外れている。多くはチックと共に起きる。多動や注意欠陥を伴うこともある。ドーパミンを制御する薬が有効であることから、脳の伝達異常であるという説が有力だが、ふぁ心因性であるとの説もあり、はっきりとは解明されていない。