発達障害の定義
アスペルガー症候群

アスペルガー症候群のもう一つの名前は、自閉的精神病質という。広汎性発達障害の一種で、かつては自閉症の一カテゴリであったものだ。自閉症のとらえ方は、以前は統合失調症(精神分裂病、スキゾフレニア)が早くに発症したものととらえられていたが、現在は、脳の発達が定型的ではない、発達障害の一種だとされている。広汎性発達障害には、他にレット障害などがある。

アスペルガー症候群の特徴は、対人における態度と、関心の幅の狭さである。知能の発達は、保たれ、時に高い場合もある。物事の裏を読んだり推測したりすることが不得手で、婉曲的表現は通じないことが多い。会話に独特の抑揚があるのも特徴である。共感性が低く、感情の表出が上手くいかないので、傍には身勝手で我がまま、マイペースなどのレッテルを貼られてしまい孤立しがちになる。自閉傾向のある人特有の、こだわり、関心を持った物事に対する集中や、(時には過度になる)どこかにぶつけても痛がらない痛覚鈍麻、些細な音を嫌がる聴覚過敏等知覚に特徴が出ることがある。

ラターの提唱した小児自閉症と類似し、見分けがつかないとの指摘もあるが、言語の遅れがないことで、容易に判別できる。同じく広汎性発達障害に含まれる小児自閉症においては、言語習得の遅れが重く、時に一生言語を獲得できず、話せても数語であったり、助詞などの機能語が欠落したりする。自閉症の言語の発達に際しては、周りの言った言葉をオウム返しにする反響言語という特徴がみられることもある。アスペルガー症候群の場合、前述したとおり、抑揚に特徴があるものの、反響言語はあまり見られない。

成人すると、対人の癖がやや穏やかになる傾向があるが、社会への適応に問題があるケースがあるので、薬物療法、心理療法などで改善を図る。